2018年11月22日木曜日

レセプトの病名編集について

レセプトの病名編集方法は[システム管理マスタ]の[2005 レセプト・総括印刷情報]で設定する(図1)。
図1.レセプト・総括印刷情報

図1左上の[傷病名記載区分]にて[1 単独記載]、[1 全ての診療科分を記載]、[2 主病名の編集を行う(区切り無)]を選択して[登録]ボタンを押す。

なお、主病名であることを明示するには以下の2通りの方法がある。
  1. 病名の末尾に「(主)」を付ける
  2. 主病名を1行目に記載し、破線を引いてから2行目以降に他の病名を記載する
ここでは前者の方法を試してみる。
 このままでは病名の末尾に「(主)」がつかないので、病名登録画面にて主病名の登録を行う際に、[補足コメント]の下側の丸がっこ内に「主」と入力して病名を登録する(図2)。
図2.主病名の登録(補足コメントに「主」と入力)
 こうすることによって図3に示すようにレセプトに病名が印字される。

図3.レセプトに表示される病名

2018年11月16日金曜日

間違えて入力した診療行為を日付ごと消すには?

【現象】


間違えて入力した診療行為を日付ごと消したいが、その機能が見当たらない。

【苦肉の策】

一発で削除できれば良いのだが、その方法が見当たらない。
そこで、診療行為の訂正機能を使って削除したい日の診療行為を飛び出して、すべての明細を消してみた。すると、受診履歴を含めてその日の診療行為がすべて消えた。

図1.診療行為の画面を呼び出したところ

2番目のH30.11.6の診察をすべて消すには、[訂正]ボタンをクリックして訂正モードにして受診日一覧から当該日付のデータを選択する。

図2.訂正モード

訂正モードになったら明細をすべて削除する。

図3.明細をすべて削除したところ

登録ボタンを押す。

図4.診療行為確認画面
診療行為確認画面には何も出ない。登録ボタンを押す。

図5.会計画面

請求額は0円である。登録ボタンを押す。

図6.登録確認画面

登録の確認画面がポップアップされる。このときのメッセージは「継続分も含め受診履歴を削除します。よろしいですか?」である。[OK]ボタンをクリックするとこの日の診療行為がすべて消える。

図7.H30.11.6の診療行為が消えている

再び診療行為画面を出して患者を呼び出すと、確かにH30.11.6のデータが受診履歴から消えている。

しかし、この方法はいかにも大変である。もっと簡単に診察日ごと消す方法はないものであろうか・・・。

→なさそうである。これなんかその証拠かも。

誤って入力した受診科履歴の削除について

診療録(カルテ1号紙)に他科病名は印字されない?

【現象】

診療録(カルテ1号紙)を印刷すると、傷病名欄に他科の病名が印字されない。
図1は、内科に甲状腺機能低下症、耳鼻科に花粉症を登録している例である。

図1.病名登録

患者登録画面で科を設定せずにカルテ1号を発行しようとすると、図2に示すようなエラーメッセージが出る。

図2.患者登録画面からカルテ発行(診療科を指定しなかった場合)

やむなく内科を選択して診療録を印字すると、内科で登録した傷病名「甲状腺機能低下症」のみが印字される。

図3.カルテ1号紙

診療所の外来カルテは科別に印刷・保管するのか、それとも共通なのか?
科別に印刷・保管する場合、1号紙に他科の病名を印字するのか?

ORCAのQ&Aサイトにこんな情報もありましたが、この問題は、Yahoo 知恵袋に投稿しました。

【Tips】


「甲状腺機能低下症」は内科の疾患だと思っていたけど耳鼻咽喉科でもいいみたい。

2018年11月13日火曜日

カルテ例2の解説

自動算定の設定

  • 薬剤師が常時1名常駐 → F500調剤技術基本料(8点)を算定
  • 薬剤情報を文書により提供 → 薬剤情報提供料(10点)

これらはシステム管理マスタ(1007 自動発生・チェック機能情報)の設定が必要

図1.システム管理マスタの設定(1007 児童発生・チェック機能情報)

この設定で薬剤を処方した例を下記に示す。

図2.自動発生

番号#3に「薬剤情報提供料(10点)」が自動発生している。
#8に「調剤技術基本料(8点)」が自動発生している。
その他、外来管理加算(52点)、処方料(42点)、特定疾患処方管理加算(処方料)(18点)も自動発生している。

2018年11月12日月曜日

レセ電算ファイルの作成

レセ電算ファイルを作成するにはORCAのマニュアルの「3.4.1 レセプト電算処理システムによるデータ作成手順」に従って行う。


1.システム管理マスタの設定

「101 システム管理マスタ」→「2005 レセプト印刷情報」→レセプト(基本ーレセ電)と進んで図1の画面を表示する。

図1.レセ電設定画面

この画面では、[レセ電出力区分]の社保、国保、広域連合を「3 入院・入院外」にする。また、[レセ電算出力先]に「/home/orca/Receipt/」を入力して[登録]をクリックする。

TeraTermでUbuntuサーバに接続して「/home/orca/」ディレクトリ直下に「Receipt」ディレクトリを作成する。手順を以下に示す。
info@orca17:~$ sudo su -
[sudo] hinfo のパスワード:
root@orca17:~# cd /home/orca
root@orca17:/home/orca# mkdir Receipt
root@orca17:/home/orca# chown -R orca:orca Receipt/
root@orca17:/home/orca# chmod 755 Receipt/
root@orca17:/home/orca# ls -al
合計 20
drwxr-xr-x 4 orca orca 4096 11月 12 18:10 .
drwxr-xr-x 6 root root 4096  9月  2 17:55 ..
drwx------ 2 orca orca 4096  9月  2 17:55 .gnupg
drwxr-xr-x 2 orca orca 4096 11月 12 19:08 Receipt
-rw-r--r-- 1 orca orca 3777  9月  3 13:49 orcarc
リスト1 

レセ電算ファイルはこうして作成したディレクトリ内に保存される。

次にレセ電算データを作成する。これは 「42 明細書」業務で、普通にレセプトの一括作成処理をすればよい。

図2.レセプトの作成

レセプトが出来上がったら「44 総括表・公費請求書」業務から[社保レセ電]をクリックしてレセ電算ファイルを作成する。

図3.レセ電算ファイルの作成

図4.レセ電算ファイルの中身

 レセ電算ファイルが出来上がったらTeraTermあるいはWinSCPで/home/orca/Receipt/内にあるファイル「01RECEIPTC.UKE」を開いてみる(図4)。
このファイルのフォーマットについては「オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(医科用)」で確認できる。

カルテ例1の解説

施設基準


時間外対応加算2(3点)


再診料に対する加算である(A001注10)。
以前は「地域医療貢献加算」と呼ばれていたものが、平成24年4月の点数改定で「時間外対応加算」に変更された。
診察時間には関係なく算定できる。
算定要件に応じて「時間外対応加算1(5点)」「時間外対応加算2(3点)」「時間外対応加算3(1点)」の3種類がある
ORCAでは、[101 システム管理マスタ]→[1006 施設基準情報]で設定する
同一日に他の傷病について、別の診療科を再診と して受診した場合は算定できない。

明細書発行体制等加算(1点)


再診料に対する加算である(A001注11)。
会計窓口にて明細書を発行したら算定できる。
ORCAでは、施設基準情報で設定すれば自動発生するとマニュアルには書いてあるが、登録しようとすると「施設基準コードがありません。」というエラーメッセージが出る。
同一日に他の傷病について、別の診療科を再診と して受診した場合は算定できない。


カルテ例1において、再診が3回188点になっているのは上記の加算が入っているためである。
  • 4/10(耳鼻科):再診料(71点)+時間外対応加算2(3点)+明細書発行体制等加算(1点)=76点
  • 4/17(耳鼻科):同上(76点)
  • 4/17(内科):同一日付での他科再診のため、再診料は36点のみ(A001注3)で、上記加算は算定できない。

外来管理加算(52点)


A001再診料の通知(6)
処置や手術を伴わない診察(基本的に投薬のみ)で加算できる。
同一日付での他科再診では算定できない。
5分ルールというのがあるらしい(診察時間が5分以上でなければ算定できない)。
ORCAでは、システム管理マスタの「1007 自動発生・チェック機能制御情報」で設定する。

カルテ例1において、外来管理加算が52×1回になっているのは次の理由による。
  • 4/10(耳鼻科):内視鏡検査(EF-鼻咽腔)をやっているので算定できない
  • 4/17(耳鼻科):処方だけなので算定できる
  • 4/17(内科):同一日他科再診なので算定できない

特定疾患療養管理料(225点)


「治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に、月2回に限り算定」でき、同管理料の算定要件として、「管理内容の要点」を診療録に記載することを求めている
ORCAの場合、システム管理マスタの「1007 自動発生・チェック機能制御情報」で設定することにより、入力されている病名の疾患区分が設定されているときに発生する。

カルテ例1においては、内科で受診している疾患「甲状腺機能低下症」が特定疾患なので4/17(内科)の受診で自動発生された。


F400処方箋料(68点)


薬剤の一般的名称を記載する処方箋を交付した場合は処方内容に応じて以下の加算がつく(F400注7)。
商品名が製薬会社によって違うのに対して、一般名は成分名なので製薬会社によらない→ジェネリック医薬品。
  • 一般名処方加算1 6点(平成30年以降 それまでは3点)
    •  後発医薬品のある全ての医薬品(2品目以上の場合に限る)が一般名処方されている場合
  • 一般名処方加算2 4点(平成30年以降 それまでは2点)
    •  1品目でも一般名処方され たものが含まれている場合

カルテ例1において、処方箋料が71×2と68×1になっているのは以下の理由による。
  • 4/10(耳鼻科):「オロパタジン塩酸塩OD錠5mg」「クロモグリク酸Na点鼻液2%」は一般名なので「一般名処方加算1」(平成29年当時は3点)が加算され処方箋料は68+3=71点
  • 4/17(耳鼻科):同上
  • 4/17(内科):1品目しか処方されていないので一般名処方加算はつかない。したがって68点のまま。

長期投薬加算(65点)


特定疾患を主病とする患者に対して、特定疾患以外の傷病に対する薬剤を28日分以上投与した場合、月1回に限り特定疾患処方管理加算の長期投薬加算(65点)が算定できる。
ただし、平成30年度の改定により、これは「特定疾患処方管理加算2」に名称が変わっており、点数も66点になっている(F400処方箋料注5)。
ORCAでは自動発生しないので手入力しなければならない。
これに対して、処方期間が28日分未満の場合「特定疾患処方管理加算1」(18点)が月2回を限度に算定できる(F400処方箋料注4)。
なお、「特定疾患処方管理加算2」を算定した月には「特定疾患処方管理加算1」は算定できない(F400処方箋料注5)。
ORCAでは、病名に特定疾患の病名があり、院外処方のとき自動発生する(初回登録時のみ、自動発生する)。


カルテ例1において、
  • 4/10(耳鼻科):耳鼻科は花粉症で診察を受けているので「特定疾患を主病とする患者」に合致しないのか算定していない。
  • 4/17(耳鼻科):同上
  • 4/17(内科):内科の主病は「甲状腺機能低下症」で特定疾患なので「特定疾患処方管理加算2」を算定している。ただし、平成29年なので65点。

その他、留意すべきこと


  • 血液検査を行ったときは採血料(D400 血液採取)を手入力する(静脈25点 B-V)。
  • 血液学的検査判断料(125点)、生化学的検査(Ⅰ)判断料(144点)、生化学的検査(Ⅱ)判断料(144点)、免疫学的検査判断料(144点)は該当する検査があればORCAが自動発生する。



2018年11月10日土曜日

マスタ更新時におけるトラブル

現象


マスタ更新処理を行うと、ライセンスマスタの更新処理で
前回処理分の更新は異常終了しました。
[ERROR] 401 Unauthorized
あるいは
提供サーバへ接続できませんでした。
[ERROR] 401 Unauthorized
と赤字で出る。

図1.マスタ更新でエラー発生

対処法


1.マスタ更新画面でCtrl+F5を押して「アクセスキーを削除します。よろしいですか?」と出たら[OK]をクリックする。

2.下記の医療機関専用サイトにアクセスしてログインする。
https://orcaid.orca.med.or.jp/minst/signin
図2.医療機関専用サイト

3.右下の[再発行]をクリックする。


図3.アクセスキーの再発行

4.ORCAのマスタ更新の画面に戻って[キー取得]ボタンをクリックすると、「アクセスキーを取得します。よろしいですか?」と表示されるので[OK]をクリックする。

5.「2~3秒待って方ボタンをクリックして下さい」と表示されたら2~3秒待ってから[OK]ボタンをクリックする。

6.「アクセスキーが取得できました」と表示されたら[OK]ボタンをクリックしてポップアップウィンドウを閉じてから[更新]ボタンをクリックする。

7.「マスタ更新を実行します。よろしいですか?」と出たら[OK]ボタンをクリックする。

2018年11月8日木曜日

カルテ例1(第2章の章末問題)

診療科の登録


事前準備として、ORCAに内科(01)、小児科(09)、耳鼻科(27)を登録しておく(カッコ内は科コード)。 診療科の登録は[マスタ登録]→[システム管理マスタ]で管理コードから[1005 診療科目情報]を選択して[診療科目コード]に科コードを入力して行う。

患者登録


P56の診療録を見ながら患者登録を行う。
図1 カルテ例1の患者登録

病名登録


P56のカルテ例1を見ながら患者病名登録を行う。患者病名登録は、業務メニューから[病名]を選択する。

図2.病名登録画面
左上のテキストボックスに患者番号を入力してEnterキーを押す。患者番号は、先行する0は省略して入力できる。例えば患者番号が"0002"のとき、"2"と入力すればよい。また、入力時、次の項目に移る際は必ずEnterキーを叩く。マウスで入力フィールドを移動すると、入力が反映しないことがあるので、必ず1項目ごとにEnterキーを叩くこと。

F5を押すか 画面下の[病名検索]をクリックすると病名検索画面が表示される。

図3.病名検索画面
病名欄に病名の先頭数文字を入力してEnterキーをクリックすると条件に該当する病名の一覧が表示されるので目的の病名を選択する。その後、開始日を入力して[登録]をクリックする。

図4.病名登録が完了したところ
こうして図4に示すように病名登録が完了した。

診療行為の入力


※最初に職員情報で「クライアント印刷」を「1 する」に、「クライアント印刷時ダイアログ表示」を「1 表示する」にしておく


P57のカルテ例1を見ながら診療行為を入力する。
まず最初に日付の設定を行う。メニュー画面の[環境設定]ボタンをクリックする。

図5 メニュー画面
 すると図6の画面が現れる。

図6.環境設定画面
カレンダーから日付を入力(この例では2017年4月10日)し、[登録]ボタンをクリックする。
次に[メニュー]へ戻って、[01 医事業務]→[21 診療行為]を選択する。

図7.診療行為入力画面
診療行為入力画面の診療日(左上[院内]ボタンの左側)が環境設定画面で入力した日付になっていることを確認する。これから入力する診療行為はすべてこの日に行ったことになる。
一度入力した診療行為は月をまたがって診療日を変更することはできない。ただし、同月内であれば[会計照会]画面から変更できる。

左上のテキストボックスに患者番号を入力してEnterキーを押す。

図8.患者番号を入力したところ

患者番号を入力してEnterキーを叩くと1回目の診察なので図8に示すように「初診」が自動的に入力される。

ここで、診療科から「耳鼻科」を選択する。

4/10分の入力


検査入力


次に検査の入力を行う。検査に限らず、診療行為はすべて「入力コード」に項目名の先頭数文字を入力してEnterキーを叩くと候補が表示されるので、そこから選択する。

図9.診療行為の検索結果


図9は、図8の画面で[入力コード]に「抹消血液」と入力してEnterキーを叩いたときに表示される画面である。ここから目的の診療行為を選択して[確定]をクリックする(あるいはF12を押す)。

これで、図10のように、検査項目の入力が完了する。

図10.検査項目「抹消血液一般」が入力できたところ
このようにして、P57にあるカルテ例1に記載されている4/10分の検査項目をすべて入力する。
このとき気を付けなければならないのは、入力コードに入力する検索文字は必ず全角文字でなければならないという点である。例えば「CRP」は「CRP」とすべて全角で入力しなければならない。

アレルギー検査「IgE (RIST) 判定量」は「非特異的IgE判定量」のことで、「IgE (RAST) 判定量・定量」は「特異的IgE定量・判定量」のことである。「特異的IgE定量・判定量」はスギ、ヒノキ、・・・、ハウスダストの9種類について行っているので、入力に際してコードの後に9と入力する(図11参照)。

「EF-鼻咽腔」は「嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー」のことでORCAの点数マスターでは「EF−嗅裂・鼻咽腔・副鼻腔」となっている。

「鼻汁中好酸球」は「好酸球(鼻汁・喀痰)」(15点)のことである。

こうして検査を入力したのが図11である。

図11.検査入力完了


処方入力


次は処方の入力を行う。

まず、内服薬を入力することを示すために入力コードに内服薬の診療区分「.210」を入力する(図12)。

図12.内服薬の診療区分を入力


次に、入力コードに「オロパ」と入力してEnterキーを叩くと図13の検索結果画面が表示されるので、その中から「オロパタジン塩酸塩5mg錠」を選択する。

図13.「オロパタジン塩酸塩5mg錠」の検索結果

F12キーを押して確定すると元の画面に戻るので、「オロパタジン塩酸塩5mg錠」のコードの後に数量2を入力してEnterキーを押す。すると、図14に示すように錠数が表示される。

図14.「オロパタジン塩酸塩5mg錠」の数量入力


次に用法と日数を入力する。用法を入力するには入力コードに「Y」と入力してEnterキーを押す。すると、図15に示す用法の一覧画面が表示される。

図15.用法一覧

この中から「1日2回朝夕食後に」を選択して確定する。

次に入力コードに「クロモ」と入力してEnterキーを叩くと図16に示す検索結果が現れる。

図16.「クロモ」の検索結果
この中には目的の用法「1日2回朝夕1噴霧」がない。なぜなら内服薬を検索しているからである。そこで、F3キーを押して外用薬の検索を行う。

図17.外用薬での検索

この中から「【後】クロモグリク酸Na点鼻液2%「トーワ」 190mg9.5mL」を選択して[確定]する。

図18.数量入力
コードの後に「1」と入力して数量を1瓶とする。
最後に用法を入力するが、入力コードに「Y」と入力しても内服薬の用法しか出てこないので、入力コードに「//Y」と入力して用法を検索する。その結果が図19である。

図19.用法の検索結果
この中から目的の用法に近い「1日2回」を選択して[確定]させる。これで、4/10分の診療行為の入力は終わりである。

図20.4/20分の入力完了

[登録]ボタンをクリックすると「特定疾患処方管理加算が算定できる」とのポップアップが出るので[OK]を押して加算を発生させる。

図21.特定疾患処方管理加算の確認

「特定疾患処方管理加算」というのは
特定疾患を主病とする入院外の患者について診療所または許可病床数が200床未満の病院において算定し、特定疾患療養管理料と同じ疾患が対象となります
というものである。 この患者は「甲状腺機能低下症」という特定疾患を主病名として持っているので該当する。

診療行為の登録

診療行為の入力が完了したので[登録]ボタンをクリックすると図21の確認画面が表示される。

図21.確認画面
さらに[登録]ボタンをクリックすると図22の請求画面が表示されるので[登録]ボタンをクリックする。

図22.請求確認画面
 このとき、プリンターに請求書兼領収書が印刷される。


4/17分の入力


耳鼻科での診察


最初に診療行為入力画面で「耳鼻科」を選択する。

処方入力


[診療行為]画面に患者番号を入力してEnterキーをクリックすると図に示すように「再診料」と「外来管理加算」が自動的に発生する。

図23.基本料の自動発生

ここで、「外来管理加算」とは、再診料に対する加算項目(52点)で、厚生労働大臣が定める診療行為(処置や手術、超音波エコーや内視鏡検査など)を行わない再診時に加算できる。

カルテ例1には「院外処方せん」と書いてあるので、図23の画面の左上の診察日の右横にある[院内]ボタンをクリックして[院外]にする。

[入力コード]に「.210」と入力して内服薬剤であることをORCAに知らせる。続いて[入力コード]に「オロパ」と入力してEnterキーをクリックする。検索画面に表示された結果一覧から「【後】オロパタジン塩酸塩5mg錠」を選択して[確定]する。
もとの診療行為入力画面に戻ったら、コードの後に「2」と入力してEnterキーを押す。

次に[入力コード]に「Y」と入力してEnterキーを押す。検索結果から[1日2回朝夕食後に]を選択して[確定]し、もとの診療行為入力画面に戻ったら*の後に14と入力してEnterキーを押す。

次に、[入力コード]に「.230」と入力して外用薬を入力することをORCAに伝える。続いて[入力コード]に「クロモ」と入力してEnterキーをクリックする。検索画面に表示された結果一覧から「  【後】クロモグリク酸Na点鼻液2%「杏林」 190mg9.5mL」を選択して[確定]する。
もとの診療行為入力画面に戻ったら、コードの後に「2」と入力してEnterキーを押す。


図24.処方の入力を終えたところ

これで処方登録が終わったので[登録]ボタンを押す。すると、図24のような「特定疾患処方管理加算」の算定を確認する画面が出るので[OK]をクリックする。

図25.特定疾患処方管理加算確認画面

特定疾患処方管理加算とは、外来患者(別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに限る)に対して処方箋を交付した場合、月2 回に限り、処方箋の交付1回につき18点を所定点数に加算するものである。

図25で[OK]ボタンをクリックすると次のような確認画面が表示される。

図26.診療行為確認画面

上記に説明したもの以外では「処方箋料」(68点)が自動発生されている。これは、保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付した場合に、交付1回につ き算定できるものである。つまり、院外処方でなければ算定できない。

図27.請求確認画面
図26で[登録]ボタンをクリックすると図27に示す[請求確認画面]が表示される。ここで、[請求書兼領収書][診療費明細書][処方せん]をすべて「1 発行あり」にして[登録]ボタンをクリックする。


内科での同日診察


診療行為入力画面を出して患者番号を入力し、診療科を内科にする。このとき「診療科が変更されました。現在の診療内容を残しますか?」 というメッセージが出るが[OK]をクリックする。


検査入力


  • [入力コード]に「末梢血」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「抹消血液一般」を選択して[確定]する。
  • [入力コード]に「TP」と全角で入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「TP【総蛋白】」を選択して[確定]する。
  • [入力コード]に「Alb」と全角で入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「Alb【アルブミン】」を選択して[確定]する。
  •  [入力コード]に「AST」と全角で入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「AST【アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)】」を選択して[確定]する。
  •  [入力コード]に「ALT」と全角で入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「ALT【アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)】」を選択して[確定]する。
  •  [入力コード]に「γ」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「γ-GT【γ-グルタミントランスフェラーゼ(γ-GT)】」を選択して[確定]する。
  •  [入力コード]に「LD」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「LD【乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「LD 項目数:6」と表示され、[数量・点数]欄には93×1と表示される。これは、血液化学検査のまるめにより、5項目以上7項目以下は93点になるからである。
  • [入力コード]に「総ビリルビン」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「BIL/総【総ビリルビン】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「BIL/総 項目数:7」と表示され、[数量・点数]欄には93×1と表示される。
  •  [入力コード]に「ALP」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「ALP【アルカリホスファターゼ(ALP)】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「ALP 項目数:8」と表示され、[数量・点数]欄には99×1と表示される。これは、血液化学検査のまるめにより、8項目以上9項目以下は99点になるからである。
  • [入力コード]に「CK」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「CK【クレアチンキナーゼ(CK)】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「CK 項目数:9」と表示され、[数量・点数]欄には99×1と表示される。
  • [入力コード]に「BUN」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「BUN【尿素窒素】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「BUN 項目数:10」と表示され、[数量・点数]欄には112×1と表示される。これは、血液化学検査のまるめにより、10項目以上は112点になるからである。 
  •  [入力コード]に「クレ」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「クレアチニン」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「クレアチニン 項目数:11」と表示され、[数量・点数]欄には112×1と表示される。
  •   [入力コード]に「ナトリウム」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「ナトリウム及びクロール」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「ナトリウム及びクロール 項目数:12」と表示され、[数量・点数]欄には112×1と表示される。ナトリウム及びクロールについては、両方を測定した場合も、いずれか一方のみを測定した場合も、同一の所定点数により算定する。
  • [入力コード]に「カリウム」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「カリウム」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[名称]欄に「カリウム 項目数:13」と表示され、[数量・点数]欄には112×1と表示される。
  • [入力コード]に「TSH」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「TSH【甲状腺刺激ホルモン(TSH)】」を選択して[確定]する。このとき、元の診療行為画面に戻ったとき、[診区]欄に「60」が表示され、検査項目のグルーピングが変わったことがわかる。
  • [入力コード]に「FT」と入力してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「FT4【遊離サイロキシン(FT4)】」と「FT3【遊離トリヨードサイロニン(FT3)】」を選択して[確定]する。

処方


 院外処方せんを入力するので[院外]に変更する。

  • [入力コード]に「.210」を入力して内服薬剤入力モードにする。
  • [入力コード]にチラと入力 してEnterキーを押すと検索結果一覧が出るので、その中から「チラーヂンS錠50μg」を選択して[確定]する。元の画面に戻ったらコードの後に「1」を入力してEnterキーを押す。
  • [入力コード]に「Y」を入力 してEnterキーを押すと用法一覧が出るので、その中から「1日1回朝食後」を選択して[確定]する。元の画面に戻ったら*の後に「30」を入力してEnterキーを押す。
 入力が終わったら[登録]ボタンをクリックする。

図28 入力を終えたところ


図29 診療行為確認画面

このとき、「生化学検査(1)判断料」(144点) と「生化学検査(2)判断料」(144点)が自動発生されている。検体検査判断料は該当する検体検査の種類又は回数にかかわらずそれぞれ月1回に限り算定できる。その中に生化学的検査(Ⅰ)判断料や生化学的検査(Ⅱ)判断料が含まれる。TP~Kは生化学的検査Ⅰ、FT3、FT4は生化学的検査Ⅱ。これに伴って2種類の判断料が加算されたものと思われる。

[登録]ボタンを押して請求確認画面が出たら、 [請求書兼領収書][診療費明細書][処方せん]をすべて「1 発行あり」にして[登録]ボタンをクリックする。

すると図30~32の画面が次々と表示されるので印刷する。

図30.診療費請求書兼領収書

図31.診療費明細書

図32.処方箋

OpenDolphinとORCAの連携

第3章の章末問題 第2章の章末問題でやったカルテ例1をOpenDolphinに入力してORCAで診療報酬明細書を作成し、模範解答と比較しなさい。 を実際にやってみたのでまとめておく。 OpenDolphinで過去にさかのぼってカルテは作成できるか? その前に標題に...