ORCAが使うPostgreSQLの設定変更を行う。変更は次の2点である。
- postgresql.confを編集してPostgreSQLが待ち受けるIPアドレスを任意にする
- pg_hba.confを編集して全てのホストから、全てのデータベースへの接続を許可する
設定ファイルは
/etc/postgresql/9.5/main/
にある。
設定ファイルの編集に先立ってORCAを停止する。
sudo service jma-receipt stop
geditでpostgresql.confを編集する。
sudo gedit /etc/postgresql/9.5/main/postgresql.conf
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図1 /etc/postgresql/9.5/main/postgresql.confの編集 |
すべてのIPアドレスで待ち受けるように
listen_address = '*'
と修正する。
geditでpg_hba.confを編集する。
sudo gedit /etc/postgresql/9.5/main/pg_hba.conf
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図2 /etc/postgresql/9.5/main/pg_hba.conf |
全てのホストから、全てのデータベースへの接続を許可するように
host all all 0.0.0.0/0 trust
を末尾に付け加えた。
先頭のhostはTCP/IPの接続を表す。2番目のallは全てのデータベースに対するアクセスを表す。3番目のallは全てのユーザに対するアクセスを表す。4番目の0.0.0.0/0は接続を許可するクライアントのIPアドレスをCIDR表記したもので、0.0.0.0/0は全てのIPアドレスを示す。最後のtrustは認証無しで無条件に接続を許可することを表す(
他ホストから接続するための設定)。
PostgreSQLの再起動
変更した設定を反映させるためにPostgreSQLを再起動(停止してから開始)する。
sudo service postgresql stop
sudo service postgresql start
OpenDolphinとORCAをCLAIMでつなぐ
CLAIMとは、電子カルテと医事システムを結ぶXML規格である。ここでは、OpenDolphinサーバ(電子カルテ)とORCA(医事会計システム)を仲介するCLAIMサーバの設定方法について記す。
まず、
dpkg-reconfigureコマンドを使ってインストール済みのORCAの再設定を行う。
sudo dpkg-reconfigure jma-receipt
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図3 dbredirectorの設定 |
「jma-receipt 用に dbredirector をスタートしますか?」に対して「いいえ」を選択(デフォルト)してEnterキーを押す。
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図4 SSLの設定 |
「glserver の SSL を有効にしますか?」に対して「いいえ」を選択して(デフォルト)Enterキーを押す。
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図5 CLAIMサーバの設定 |
「jma-receipt 用に claim server をスタートしますか?」に対して「はい」を選択してEnterキーを押す。
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図6 CLAIMサーバ待ち受けポート番号の設定 |
「claim server が接続待ちするポートを入力してください」に対して「8210」を入力して(デフォルト)「了解」へタブで移動してEnterキーを押す。
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図7 ORCAの起動とファイアウォールの無効化 |
ORCAの再設定が終了したら、ORCAを起動してファイアウォールを無効化する。
sudo service jma-receipt start
sudo ufw disable
ufwはファイアウォール netfilter を管理するためのコマンドで、iptablesのラッパーになっている(iptablesは複雑なので操作を簡単にするためにufwが作られた)。ファイアウォールを無効化するのは好ましいことではないが、ORCA、OpenDolphin、そしてCLAIMが利用しているポートをいちいち洗い出してファイアウォールに穴をあける手間を省いているのだろう。
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